富樫さんの作品展始まりました。
昨年もそうでしたが、今年も、どどどっという混み具合ではなく、
静かに、訪れてくださる感じがあり、
その様子が、ぬくぬくした体毛にくるまって
静かに群れている羊の様子と重なります。
でも、皆さんの心の内は、一年楽しみに待ってました!と、
静かなように見えて実は熱く、
昨年選んでくださった方には、
巻いているとどんどん好きになるんで す。
と、 星三つどころではない、五つも六つも、
もっとあるような、きらめく嬉しいお言葉もいただきました。
今年は家族への贈りものにと選ばれる方もいらっしゃって、
このじんわりとした広がりは、なんて嬉しいことでしょう。
温かいバトンが手に手に渡っている様子と、
ぬくぬくとした体毛にくるまって、ひなたぼっこなぞしながら、
うとうと眠っている羊の姿を、また思い浮かべたりしています。
ものの広がりは、素材が放つ力でもあると思うし、
作者の思いも映し出していると思います。
「冬隣(ふゆどなり)」の一角より。
「冬隣(ふゆどなり)」の一角より。
羊そのものの色と、染色した赤い色の組み合わせのチェック。
経糸と緯糸の掛け合わせで生まれる独特な色彩は、
織りでしか出せない色。
織りでしか出せない色。
そこに手紡ぎならではの糸の風合いが加わって、
温かな温度は視覚からも伝わってきます。
目で見るのと実際に巻いてみるのとでは印象ががらりと変わるもの。
こちらはオレンジと赤の中間色と白で織られた細かな杉綾模様。着用するものによって色の変化が見られます。
自分の思う以上に、日常は色に作用されているように思います。
冬はどうしても暗めの色合いが多くなりがちですが、
温かさ抜群のホームスパンなら、冒険の扉を開いてもきっと大丈夫です。
富樫さんの手紡ぎ糸×大久保さんのアラン模様=
二人+羊の力が掛け合わさった、力作手袋。
手を通してみると、その温かさに、軽さに、驚きます。
手紡ぎも、手織りも、手編みも、全て手の中で行われる作業。
使う人のことを思って作られた気持ちが、
ちゃんと真ん中にあります。