2016-11-24


今年も、森麗子さんのカレンダーが入荷しました。
一年が結び終わるこの時期、尊敬する方のご紹介ができることに
身が引き締まります。

全く<無駄>のない合理化一本の世界では、人間性は次第にうすれてゆきます。人間を救うもの、それは<無駄>であり、人間本来の欲望の一つである<何か自分を表現したいという感情を満足させること>であります。そこで<自分らしい空間をつくる>———自分で、この手で創れれば最高であり、つくれないのなら自分で選んだものをそばにおきたい そうした、実に切実な思いに迫られるのです。

糸と布を手でいじるうちに、更に巾広い素材を加え、またその素材の持つ様々な性格がおもしろく活かされると、素朴なあたたかさ、すかっとした爽やかさ、情熱を一杯ふくんだ人間くささ——そうした限りない表情をうつしとってくれることを見つけました。それは従来の刺しゅうという言葉では不充分なばかりか、ある意味ではその概念をのりこえなくてはならない点もあります。あえて<刺しゅう画>という言葉を避けて<ファブリック・ピクチャー>と読んだ意味がここにあります。

たとえば器用に手際よく線をひくとか、色を塗るとかという末梢的な問題ではなく——一口にいって、どんな気持ちで仕事をするかということなのです。

「ファブリックピクチャー 発想から仕上げまで」
森麗子(1979 木耳社刊)より



カタログページでもご紹介しています。
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mail@ki-gi.infoまでご連絡ください。

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今回仕入れてきた甘撚りの糸がとってもいいね。ということで、
靴下の先生、大久保さんからマフラーの提案です。

ぽこぽこした編み地が特徴的な、
トリニティステッチと云われるこの編み地は、
アラン模様のひとつで、イギリスでは「ブラックベリー」、
アメリカでは「パプコーン」と呼ばれています。
裏側で模様を操作すると表側に現れるという面白い編み方。

来月のワークショップの日(靴下の日)に、
このマフラーも取り入れてみましょうということになりました。

12/3(土) 11時~13時半、15時~17時半
12/9(金) 15時~17時半
【時  間】各日11時-13時半
上記日程のうち、一度ご参加いただければ覚えていただけると思います。

【参加費】講習費 2,300円(税別)+糸代(目安として3,000円~4,000円)
【講 師】大久保晴江

仕上がり幅を細めに、太めに、などは、その場でご相談ください。
グレー、ライトグレー、ネイビー、ブラウンの4色からお選びいただけます。

参加ご希望の方は、お名前、電話番号を明記の上、
mail@ki-gi.infoまでご連絡ください。