2010-11-19

「てしごとのしおり」にも掲載された、
青森のこぎん刺しが届きました。

寒冷の厳しい東北地方では、綿花の栽培が困難で麻布しか生産されませんでした。また、木綿と絹の着用を禁じる「農家倹約分限令」によって、主に麻布を着用せざるを得なかった時代に、ある農民から生まれた知恵と言われています。
目の粗い麻布では風通しもよい為に、寒さをしのぐことはできません。
ひと針ひと針、麻布の地に糸を刺し埋めることで布地を厚くし、さらに風通しを防ぐことができる。そうして保温・防寒の役目を果たしていた刺し子の技法が現在にも続くこぎん刺しです。
限られた制約の中に表現される無数のパターンは、単に見た目の美しさだけではなく、実用的な意味も兼ね備えているのです。

一本の糸が模様の端から端まで右に左に行ったり来たりする作業は、なかなか根気が要ります。青森でもこぎん刺しをされる方の平均年齢が70歳代(!)と聞いたことがあります。
写真は手のひらサイズの小さながま口、印鑑ケース、名刺入れです。
店頭でぜひご覧ください。