2013-09-20

来月10月18日より、富樫由紀子さんの作品展を行います。

先日、富樫さんを訪ねて盛岡へ行きました。
暑い夏の間、寒い冬の日を思って織られた
マフラーたちが続々と仕上がっていました。

原毛を洗い、乾かし、紡いで糸にする、染める、織る、縮絨する。
ホームスパンの仕事は最初から最後まで手の中で生まれています。

富樫さんの織りは細かな模様も特徴です。
模様を織ることを考慮して、紡ぐ段階で、
糸の強度を保ちながら細く作られています。

写真はハックレースという織り。
平織りを基調に飛び目を組み合わせて糸を束ねるように
織る手法です。白を交えた涼しげな色合いに
手紡ぎならではの自然の温かみが重ねられています。

盛岡っぽいマフラーです、と富樫さんにお聞きしてから、
盛岡マフラーと呼んでいます。
使用されているポロワスという柔らかい羊毛が、
模様を密にし温かな表情を与えています。
羊の種類によって、それぞれの性格のような特徴がありますが、
このポロワスの持つ風合いが、
盛岡の雰囲気を色濃く伝えてくれているように思います。
案内ハガキをどうしようかと、
富樫さんのマフラーを木に掛けたり、ぐるぐる巻いて床に置いたり、
そのまま平置きにしたりもしたのですが、
やっぱり誰かが巻いている姿がいいという答えが出ました。
それはきっと、誰かが巻くその姿を想像しながら、
富樫さんが織られているからなんだと思います。

イメージは少し前のキューピーマヨネーズだったりするのですが、
真っ白い壁の前で友人にマフラーを巻いてもらいました。
雲行きが怪しい日で、暗い空でしたが、
早くも冬への一歩を感じさせてくれる日でもありました。
布は人と寄り添うことで息をし始めるのだと思います。

冬の日のマフラー、楽しみにお待ちください。

-----------------------------------

2013.10.18(金)-11/ 4(月) 11:00-18:00
冬の日、マフラー / 富樫由紀子(織り)
*期間中休み 10/22,23,27,28
(変則的なお休みとなりますので、お出かけの際はお気をつけください。)

-----------------------------------