2011-06-08



村上あさ子さんの津軽裂織作品展も残すところあと4日となりました。

言葉にならない、とか、何とも言えない、という表現はなるべく使いたくはないのですが、村上さんの裂織は、微妙な糸の重なりで生まれる色が、言葉にならないし、何とも言えない色なのです。(と、どうしても言ってしまう。)

村上さんの赤は、例えばりんごのような赤でもないし、ポストのような赤でもない。物というよりは、形を持たない感情の色と言った方が早いかもしれない。だから、村上さんの裂織は、夕空を見た時のような湧き上がる気持ちになるのだと思う。
何処かにある何かではなくって、自分の中にある何かが映し出される。布を裂いて織ることによって生まれる影や触感も相俟って、心を揺さぶられるような気持ちになることもある。

この季節に合わせてお願いした、マドラスチェックのバッグも本当に軽やかな風が吹いていて、経糸と緯糸を目で追って行くと音楽が聴こえてくるようです。