2011-03-03



青森へ行ってきました。
真っ暗な夜から目を覚ましたら、真っ白な雪。

5月に開催する、村上あさ子さんの作品展。
村上さんに会って話をしたら、きっともっといろいろなことが膨らみ、広がるはずだと思って、そんな時間をたっぷりと、たっぷりと、過ごしてきました。

村上さんの作業場は、窓の外の雪景色とは対照的に温かな手の温もりが宿る場所でした。
織り途中のものや、これから加工するものに分けられていました。
当店でも販売させて頂いておりますが、店に届けられる時には、いつも完成された作品として受けとります。でも、こんな風に、作る過程を間近で拝見すると、一段一段が、一本一本が織りなしているものだということを改めて気づかされます。
裂織は、着物を裂くところから始まるので、さらに、完成するまでの道のりも時間が掛かります。
長く長く織って、それを型紙に合わせて切り、それから仕立てられます。
写真は、これから小銭入れになるところです。



織りをしている時が、一番気持ちが穏やかになるという、村上さん。
5月の作品展の頃は、新緑の頃。
そして、青森では真っ白なりんごの花が咲く頃。
開催に向けて、少しずつまたご紹介していきます。

青森に行くと、ゆっくりと時間が進む気がします。
一番最初に青森に訪れた時は、自分の時計が壊れてしまったのではないかと思ったくらい。(本当です!)
雪道では、歩く速度は自然とゆっくりになります。転ばないようにと、いつもより気をつけて歩くようになります。
空から降る雪と、凍った地面の雪の上をそっと歩きながら向かった弘前のあるお店。
久しぶりだなあ、楽しみだなあ、と思いながら歩いた先の扉を開けると、丁寧に作られたものたちと、それをまた丁寧に販売されているお店の方にお会いすることができて、とても嬉しくなりました。


「もっと大切にしなければならない。」
青森での滞在中、ふと何度もそう思いました。
具体的に何を、というよりは、多分、何でも。

ほんの少し留守にして居なかっただけなのに、今日は店に立って、久しぶりだなあという感覚が止まず、でも気持ちは新鮮で、突然、模様替えなどしたりして、そしたらいつもと違う店みたいになってしまって、さらにどきどき、そわそわしたあっという間の一日でした。


青森のこぎん刺しも入荷しております。少量ですが、ぜひご覧頂きたいものばかりです。