2011-02-03

祖母は手紙を書くことが好きでした。旅行も好きな人でした。
旅先で、たまたま隣の席に座ったとか、カメラのシャッターを押してくれたとか、そんなご縁から、遠く離れて住む人ともよく手紙の交換をしていたようです。
手紙を書く時は本名ではなく、ペンネームのようなもので送っていたようでした。これは後々判明したこと。
広告の裏に何度も下書きをして、本番。
封を閉じるのは、いつもご飯粒でした。

祖母が北海道旅行で出会った、あるお母さんとまだ小さな娘さん。
手紙を送る度に、向こうからは娘さんの写真が、こちらからは私の写真が送られていたようです。時々、私たち子供同士も手紙を書き合っていました。
手紙のやりとりは長い間続いていたようです。
祖母の箪笥の中には、その娘さんが小学校に入学し、成人して就職をし、結婚するまでの写真が収められたアルバムが今もあります。

近くの人にも、遠くの人にも。短くても、長くても。
手紙を書くために。

木木では、3人の作家さんの絵はがきを販売しています。

写真 時計回りより、
「21時の蝶々」atelier naruse
「野苺畑」点と線模様製作所
「どの窓も空の入口」こじまさとみ